ミニロトの当選金額
ミニロトの当選金額(理論値)は全169,911通りの組合せが均等に売れたと仮定して算出⁉
ミニロトは、[01]から[31]までの31個の数字の中から異なる5個の数字を選び、これを申込数字として購入する宝くじです。5個の数字による組合せは全169,911通りありますが、この宝くじの特徴は、従来からの宝くじと異なり、購入者自身が自由に申込数字を予想・選択し、購入できる『数字選択式宝くじ』ということでしょう。価格は1口200円で、購入した申込数字が毎週火曜日の締め切り後に抽選される数字と何個一致するかによって1等から4等までの当選が決まります。下の表は各等級の具体的な当選条件と、これを満たす当選パターンの数/全組合せ数、ここから算出される理論上の当選確率ですが、当然のことながらこの宝くじは発売額と当選口数によって当選金額が毎回変動します。そこで各等級の当選金がどの程度の額になるのか、その目安として当選確率を基に算定されたのが当選金額(理論値)ということになります。
等 級当選条件条件を満たす当選数理論上の当選確率当選金額(理論値)
1等申込数字が本数字5個の数字とすべて一致1/169,9111/169,91110,046,800円
2等申込数字が本数字4個と一致し、更にボーナス数字1個と一致5/169,911約1/33,982144,300円
3等申込数字5個のうち4個が本数字に一致125/169,911約1/1,35910,000円
4等申込数字5個のうち3個が本数字に一致3,250/169,911約1/521,000円
理論値としての当選金額がどのようにして算出されたものなのか考えてみます。先ず発売額から当選金として配分される額については<当せん金付証票法(2012年に法改正)第5条により定められた当せん金品の限度の項で「発売総額の5割を超えてはならない」とされている>に基づき販売実績(販売額)の45%が当選金に充てられていることは分かっており、各等級の配分率についても過去の当選金から逆算して明確になったものがありますから、ミニロトの数字の組合せ169,911通り全てが1口ずつ売れたと仮定して計算してみます。
すると販売実績(販売額)は169,911×200=33,982,200円になり、このうち45%が当選金に充てられる訳ですから33,982,200×0.45=15,291,990円が当選金の総額になります。各等級の配分率は1等が65.70%、2等が4.72%、3等が8.18%、4等が21.42%となっていますから、各等級の当選金を計算すると次のようになります。
1等:15,291,990×65.70%≒10,046,837.43円
◇当選数は1ですから10,046,837.43÷1≒10,046,837.43(100円未満切り捨て)⇒10,046,800円
2等:15,291,990×4.72%≒721,781.93円
◇当選数は5ですから721,781.93÷5≒144,356.39(100円未満切り捨て)⇒144,300円
3等:15,291,990×8.18%≒1,250,884.78円
◇当選数は125ですから1,250,884.78÷125≒10,007.08(100円未満切り捨て)⇒10,000円
4等:15,291,990×21.42%≒3,275,544.26円
◇当選数は3,250ですから3,275,544.26÷3,250≒1,007.86(100円未満切り捨て)⇒1,000円
※ここでは169,911通り全てが1口ずつ売れたと仮定して計算しましたが、要は全てが均等に売れたと仮定することがポイントで、その意味では全てが5口ずつでも、また10口ずつでも均等なら計算結果は同じになるはずです。
実際の当選口数で各等級の当選金がどのように変わるのか抽選結果を例に算出してみる
当選金額(理論値)については明確になりましたが、実際には各等級の当選口数がどのように変わり、これに伴う各等級の当選金額がどのように決まっているのか、ここでは1148回[2021年9月28日]の抽選結果(右下表)を例に検証してみたいと思います。以下、順を追って確認していきます。
回別第1148回抽選日2021年9月28日
本数字「01」「03」「06」「15」「19」
ボーナス数字「10」
1等13口13,657,900円
2等89口143,300円
3等1,767口12,500円
4等53,134口1,000円
販売実績600,553,000円
①まず販売実績(販売額)から当選金に充てられる金額(販売額の45%)を算出します。
販売(実績)額は600,553,000円ですから、当選金の総額は600,553,000×45%=270,248,850円となります。
②これを予め決められた配分率によって各等級毎に配分し、さらに当選条件を満たした申込口数に応じて按分する(パリミューチャル方式という)ことになります。配分率は先の計算例でも明らかになった1等65.70%、2等4.72%、3等8.18%、4等21.42%を用いて各等級の当選金を算出します。
➂各等級の当選金を計算すると次のようになります。
1等:270,248,850×65.70%≒177,553,494.45円
◇当選口数は13ですから177,553,494.45÷13≒13,657,961.11(100円未満切り捨て)⇒13,657,900円
2等:270,248,850×4.72%≒12,755,745.72円
◇当選口数は89ですから12,755,745.72÷89≒143,322.99(100円未満切り捨て)⇒143,300円
3等:270,248,850×8.18%≒22,106,355.93円
◇当選口数は1,767ですから22,106,355.93÷1,767≒12510.67(100円未満切り捨て)⇒12,500円
4等:270,248,850×21.42%≒57,887,303.67円
◇当選口数は53,134ですから57,887,303.67÷53,134≒1089.46(100円未満切り捨て)⇒1,000円
~~~~~~~~~ MEMO ~~~~~~~~~
①で当選金の総額を販売(実績)額の45%としましたが、残りの55%の販売額について触れておきます。宝くじは販売総額の約40%を収益金として、発売元の全国都道府県及び20指定都市へ納められ、高齢化少子化対策、防災対策、公園整備、教育及び社会福祉施設の建設改修などに使われており、残る約15%は、発売に伴う印刷経費、売りさばき手数料等をはじめ、社会貢献広報費となっているとのことです。
ちなみに上記の検証で切り捨てられた端数の合計は4,720,950円になります。こうした端数は1~4等の当選口数によって変動しますが必ず一定の額が発生します。もちろんこれも収益金として発売元である全国都道府県及び全指定都市に収められ、公共事業等に使われるとのことです。
➂で1等の当選金を算出しましたが、ここで当選口数が極端に少ない場合もあり、当選金額が理論上の金額を大きく上回ることもありえます。この点については<当せん金付証票法(1985年に法改正)で最高当せん金額が券面金額の20万倍までとする>から最高4,000万円(200円×200,000=40,000,000円)となっており、これを超える場合はロト6のようなキャリーオーバー制がないため下位の等級(2等)に残った額を繰り入れて再計算されているようです。ついでながら当選金に関連する事項として、すべての等級に当選者がいない場合は再抽選となること、また各等級間での重複当選は認められず上位等級を優先すること等を確認しておきます。
1等の当選金は最高4,000万円、この限度額を超えるとどうなるのか過去の実際例で検証
ここでは実際に当選金が4,000万円を超えた場合、どのように処理されているのか1073回[2020年04月21日]の抽選結果(右表)を例に検証してみました。以下、順を追って確認していきます。
回別第1073回抽選日2020年04月21日
本数字「02」「13」「21」「24」「30」
ボーナス数字「14」
1等3口40,000,000円
2等58口366,900円
3等1,512口10,800円
4等40,045口1,000円
販売実績445,839,200円
①まず販売実績(販売額)から当選金に充てられる金額(販売額の45%)を算出します。
販売(実績)額は445,839,200円ですから、当選金の総額は445,839,200×45%=200,627,640円となります。
②これを配分率によって各等級毎に配分し、さらに当選条件を満たした申込口数に応じて按分することになります。配分率は先の計算例でも明らかになった1等65.70%、2等4.72%、3等8.18%、4等21.42%を用いて各等級の当選金を算出します。
➂各等級の当選金を計算すると次のようになります。
1等:200,627,640×65.70%≒131,812,359.48円
◇当選口数は3ですから131,812,359.48÷3≒43,937,453.16(4,000万円を超えたため)⇒40,000,000円
ここで1等の当選金が40,000,000円を超えたため、超過分が2等の当選金に繰り入れられることになります。超過分を算出すると131,812,359.48-120,000,000(40,000,000×3)=11,812,359.48円
2等:200,627,640×4.72%≒9,469,624.61円 これに上記の超過分を加算します。
9,469,624.61+11,812,359.48≒21,281,984.09円
◇当選口数は58ですから21,281,984.09÷58≒366,930.76(100円未満切り捨て)⇒366,900円
3等:200,627,640×8.18%≒164,113,40.95円
◇当選口数は1,512ですから164,113,40.95÷1,512≒10,854.06(100円未満切り捨て)⇒10,800円
4等:200,627,640×21.42%≒42,974,440.49円
◇当選口数は40,045ですから42,974,440.49÷40,045≒1073.15(100円未満切り捨て)⇒1,000円
※念のため上記の検証で切り捨てられた端数の合計は2,972,840円になりました。